ミイラ取りがミイラ

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赤池愛理は激怒した。

彼女はまだ十七歳で、世の中に理不尽が存在することは知っていても
それは努力や誠意によって解決するものと思い込んでいた。
だから彼女は「泣き寝入り」という言葉の意味が分からない。

ある日のことだ。
それは平凡な秋晴れの水曜日で、それが自身の運命を変える日になるとは
赤池愛理は全く自覚していない。概ね運命とはそうしたものだ。

愛理が女子トイレに入ると、青鹿さくらが制服のスカートを洗っていた。
朝からトイレで、スカートを履いたまま水洗いしている友人の
その横顔は怒りに満ちていた。

「どうしたの?」と愛理が訊くと、彼女は電車の中でスカートを汚されたと言った。
へんなものをつけられた、という表現をさくらはしたが
それが具体的に何であるか分からないほど幼くは無い。
ただ口にするだけで、唇が汚れそうな気がしていた。

性欲の存在をまだ観念的にしか捉えられない彼女らにとり、
男の性衝動はただただ不気味で腹立たしく何より不快だったろう。
爆弾テロの動機が分からないのと同じように、痴漢の動機が分からない。

「西汪線、ひと駅ひと駅が長いじゃん。しかもずっと右のドアしか開かないし」
さくらはそう言って唇を噛む。前髪が汗ばんだ額に貼り付いていた。
「ホンットムカつく、ありえない」と呟いてさくらは黙った。
それ以上口を開くと何か大きな塊が漏れてしまう、というように。

だから愛理は彼女の代わりに口を開いた。

愛理には強い自信があった。

情けなく卑しく惨めな痴漢という行為で、他人を傷つけて自分を満たすような男に自分が負けるはずはないという、強い自信があった。
彼女は十二歳の頃からインパクトという護身術を習っていた。
防具をつけた男を殴る蹴る、という行為に慣れていた。
むしろ実戦で使ってみたいとすら思っていた。

どちらかというと、自分が痴漢に狙われるか、ということのほうが不安ではあった。
彼女は自分が男性から見て魅力的か否か、まるで分からなかった。
勿論、そういったことを考えたことがないわけではない。
ただ十代の少女の客観性にはやはり限界があった。

鏡に映る自分の顔は、どちらかというと少年のようだと感じる。
肩にかかるかどうか、という長さの髪もその傾向に拍車をかけていた。
鍛えているわりには細い四肢には、女性らしさが少しはあるだろうか。

ともあれ、彼女はさっそく翌日、さくらが痴漢に遭遇した路線に乗りこんだ。
なかなか開かない左側のドアに寄りかかるようにして。

いつもの制服姿だが、彼女はわざとスカートを短くし膝を丸々さらけ出すようにした。
下着は念のため厚手の綿のものにした。
痴漢が来たらどう対処するか。彼女は前日に何度もシミュレートしていた。

勿論すぐに叩き伏せたりはしない。
最初はいい気にさせておいて、駅の直前で一気に攻撃し、ホームに降ろして駅員に引き渡す。

窓の外を見ているふりをしながら、彼女ははりねずみのように全身に意識を尖らせた。

三つ目の駅でドアが開くと同時に、殺気だったスーツの群像が身体を捻じ込むようにして乗車してきた。
柱をつかんで立っていた愛理の身体は、ドアに押し付けられる。

呻き声を出したくなるような圧力と熱気が立ち込めた。
額を汗でぎらぎらと光らせた中年男性の呼気と体臭の混淆した匂いを嗅がされて、彼女はきつく眉をしかめた。

仕方が無いので窓の外を流れる退屈な沿線風景を見て気を紛らわせる。
そして改めて、果たして自分は痴漢に遭遇できるかを考えた。
彼女にとってそれは恐ろしい邂逅ではない。

テレビゲームのRPGで、経験値の高いモンスターを探す気分に近かった。
青鹿さくらの話を聞いたときに感じた強い義憤のほかに、
どこか好奇心めいたものが彼女の動機になっていたのは否めない。

外の景色は暗い。昼過ぎから雨が降る、と朝の天気予報では言っていた。
窓ガラスに映る自分を見た。

良く祖母から「柳眉」と褒められた弓なり型の眉と、少し外側が吊りあがって見えるまぶたは、一見した彼女の顔立ちに気の強そうな印象を付け加えている。
なつかない猫のようだ、と誰か言っていた。

肩幅も二の腕は決して「がっしりしている」という風には見えない。
長い間鍛えたわりには華奢にすら見える身体だった。骨格の問題かも知れない。

やっぱり来ないかなあ、と思わず溜め息をついた。
窓ガラスが白く曇る。その瞬間だった。

カバンを持つ手の人差し指と中指だ。
愛理はすぐにそれを理解する。

そして、間違って触れた、という言葉の範囲内に入れてもいいような触れ方であった。
だが、右の臀部、尻肉の一番柔らかな部分に触れた二本の指が一秒の半分ほどの間、動いたのを彼女は感じている。
感触を味わおうとした動きだった。

瞬間、苛立ちと怒りがこみ上げ、下腹が炙られたように熱くなった。
だがまだ動く時期ではない。むしろ彼女は知らんふりを決め込んだ。
男が愛理を「多少触っても抵抗しないだろう」と判断するまで待つつもりだった。

これだけ混雑しているのだから、触れてしまうのも仕方ない。
そう言い訳することが出来ないほどに、男が調子に乗って触ってくるまでだ。
発熱したように頭が熱かったが、彼女は比較的冷静だった。

カーブに差し掛かり、電車が大きく揺れる。

今度はもっとはっきりと触られた。
鞄を逆手に持ち替えたのだろう。
スカート越しに臀部の肉をつまむようにして二秒間。

愛理は全くの無反応に徹した。窓の外を見ていた。
怒りというよりも、男の行為に対して、どこか呆れるような想いがあった。
何故見ず知らずの人間にこうも無遠慮なことが出来るのか。
いい大人が逮捕されるリスクを犯してまで何故こんなことをするのか。

手のひらが、彼女の肉を揺するように触れていた。

「間もなく、あかつき台、あかつき台、降り口は右側です」
駅員の感情の篭もらない放送が聞こえる。

「電車、混みあいまして大変ご迷惑をおかけしております」
本当にそうだよ、と愛理は内心毒づいた。
太股に、大きな手のひらの体温が伝わってきている。

――あかつき台駅か。

生理的な嫌悪と精神的な不快感をあえて無視し、彼女は思考する。
痴漢を叩き落とすタイミングは、次の小象駅がいい。
その次の妙頭駅まで行ってしまうと、通勤客が大量に降りてしまい
それに紛れ痴漢が逃げてしまうかも知れない。

事実、青鹿さくらも妙頭駅の直前でスカートを汚され、
そのまま逃げられてしまったという。
小象駅なら、下車する客も少ないし、なにより駅事務所が近い。

駅直前で、今まさに愛理の下着に触れている汚らしい手を掴み、ひねり上げる。
全く想定していない反撃に戸惑う男の股間を蹴り上げて、
悶絶する彼を駅のホームに叩き落とす。すぐに駅員が来る。

やり過ぎて逆に捕まらないようにしなくちゃ。
そう思うほど、彼女の脳裏には明確なビジョンが描けていた。

背中に密着している男の身体が、発熱しているように感じる。
男の掌は、彼女を抱き寄せるように前に回りこみ、下着の上から陰毛をつまむように撫でていた。
硬くなったスラックスの前が尻肉に当たっているのが分かる。
手加減は出来そうにないな、と愛理は思った。

その刹那である。

大声を出しそうになった。

最初に感じたのは耐え難い「くすぐったさ」であり、その次の瞬間に、ゴキブリやムカデを襟から入れられたような「気持ち悪さ」を感じた。

愛理の全身に鳥肌が立ち、暴れそうになる肉体を制御しようとしてびくんびくんと痙攣を繰り返した。
周囲から奇異の目で見られたかもしれない、と考える余裕は無かった。

彼女のうなじに触れて首筋をのぼり、耳の穴に入った粘性の高い物体が男の舌であることを愛理は理解する。
同時に男の中指が、下着の上から膣開口部をなぞっていた。

歯を食いしばる。
全身が火を噴いたように熱い。
次の駅直前まで、などと悠長な気分は無くなった。

いまここで叩きのめしてやる。

男の右手が背後から腰を抱くようにして股間に至り、男の左手は彼女の左腕を掴んでいた。
自由に動くのは、右腕のみ。

彼女は思い切りその右腕を前に伸ばすと、ガッツポーズをするように拳を引いた。
ヒジで背後の男を突こうとしたのである。
女の力であっても、油断した状態でわき腹に思い切りヒジを入れられれば悶絶する威力がある。
増して、鍛えた彼女の力と動きは普通の高校生とは違う。

だが、硬く尖ったヒジが柔らかなわき腹に突き刺さる痛快な感触は得られなかった。
彼女のヒジは、つかまれて加速する前に止まっていた。文字通りの掣肘である。
そしてその手は、背後の男のそれではなかった。

愛理は、背後の男にだけ意識を集中していた。
背後の男が「敵」であり、周囲の人々は「環境」だと認識していた。
だから横の男に腕をつかまれたとき、ひどく理不尽な想いをした。

マリオをプレイしていたら土管やコインが突然襲ってきたような、突拍子も無い罠に、彼女の思考は硬直する。
愛理の真横に立っていた、ネクタイをゆるめた二十代の男が彼女の右手首を掴んでいた。

そして、そのままゆっくりと手を握る。まるで握手をしているようだ。

「あぁ」と声が聞こえた。背後の男の声だ。
耳たぶを濡らすような湿った喘ぎ声だった。
それから「スーッ」という、歯の隙間から息を吸う音。

そこで彼女は、初めて気がついた。
――自分は見られている。
周囲の男たちは、愛理が痴漢に遭っていることに気付いている。

折りたたんだ日経新聞を読んでいる男も、i-podのイヤホンを耳に入れている男も、
ただ黙って吊り革に体重をかけている男も、立ったまま眠ったような表情の男も。
痴漢に遭っている女子高生に気付き、時折目線を送っていた。

この瞬間、愛理の心のなかに遅ればせながら初めて「恐怖」が生まれた。

小さく「いやっ」という言葉を彼女は発したが、ほぼ同時に始まった車内放送がそれをかき消した。
「まもなく、小象、小象、お出口は、右側です」

下着の上から、いつくしむように優しい指先が、陰核を撫でこする。
彼女にとって、他人に触れられたことのない、触れさせたことのない場所である。

「本日、電車混みあいまして、大変ご迷惑をかけております」

観客ではなく、実際に彼女の身体に触れている男が三人居た。

背後の男と、彼女のヒジを掴んだ男、更にもう一人。
毛糸のような髪をだらりと伸ばした不潔そうな中年男が、突然彼女のわき腹を撫で始めたのである。

「……っ!!」
愛理は自分に触れている男たちの目を見た。

人を見下しているような、怖れているような、それでいて楽しんでいるような
不可思議で、彼女には理解のできない感情が浮かんでいる。
彼女が能天気なまでに信じていた他人の善意が、ここには無かった。

背後の男が荒い吐息を彼女の耳にかけている。
当初の予定では、自分の股間を押さえたまま小象駅のホームで悶絶していたはずの男だが
既に小象駅を通過してしまったうえに、彼は自分ではなく愛理の股間に触れている。

赤池愛理のまだ若く発育しきっていない尻肉に、男の硬くなったものが押し付けられていた。

「やめて」と言いそうになる自分を、彼女はかろうじて抑えた。
その言葉を言っても、彼らが止めることはないだろう。
そして言った瞬間に、何か大切なものを失ってしまう気がしていた。

大声で助けを呼ぶことも彼女はしなかった。
周囲が好奇心と性欲に満ちた男で囲繞されているこの状態で
助けを来てくれる保障はないし、そもそも混みすぎて駅員が来られないだろう。

彼女にとっての一縷の望みは自分自身。五年以上鍛えた肉体だった。
背後の男だけでも、当初の予定通りに叩きのめす。
それだけを考えていた。

触手のように絡みつく手に、彼女は耐えることにした。
背後の男の両手と、二人の男の片手、すべて合わせて四本の男の手が拘束してくるこの状態で、まともに抵抗をしても無駄と判断したためだ。

彼女にとってもチャンスは妙頭駅。
そこで多くの乗客が降りていき、車内の人口密度が一気に減少する。
それとともに逃げていこうとする背後の男を攻撃する。それしかない。

首筋で、背後の男の舌が、汗を舐めとろうとするかのように動いている。
執拗に指先で刺激された陰核が、じんじんと痺れていた。
「かゆいところを掻けない」ような不思議なもどかしさがある。
知らずに腰が動いてしまっていた。

「……んっ、ふっ」
鼻息なのか声なのか、良く分からないものが漏れる。

男の指に触れられている場所が、身体の中から熱くなっていく。
意識がそこに集中していくのが自分でも分かった。
横に居る二人の男が意識から外れる。

わき腹に触れていた中年男が、彼女の胸元に手を伸ばした。
弾力よりも硬さのほうが目立つ乳房に数秒触れた。
周囲から咎められることなど考えてもいない動きである。

貧血になったときのように、身体から力が抜けていくのを愛理は感じる。
戦いに備えていた肉体から、緊張感が無くなっていく。
さっき言わないと決めた「やめて」という言葉が小さく口からこぼれた。

「まもなく、妙頭、妙頭」

電車がカーブにさしかかり、大きく右に車体が傾いた。
そこで愛理は、押し付けられている男のものが、スラックス越しでないことに気付く。
そこには、はっきりとした肉の感触があった。

あくまで優しく、だが男の指は異様に早く動いている。
恐らく周囲から見れば、明らかに不自然な動きなのだろうが、
背後の男を痴漢として押さえつけるような者は居なかった。
それどころか周囲の目線は、固唾を飲んで何かを待っているようでもある。

くすぐったいような、むずがゆいような、今まで感じたことの無い感覚に、
愛理は身体を捻らせて身悶えた。眉に力が入る。
額に汗をうかせた苦悶の表情は、どこか凄絶な美しささえ感じさせる。

「電車、混みあいまして大変ご迷惑をおかけいたしました」
その放送が流れ、電車のスピードが落ちていく、その瞬間。
一瞬、愛理の思考が途切れた。
肩が持ちあがり、腰が浮き、膝が揺れる。身体が二回、痙攣した。

「ぁ、ぁ、ぁ」
猫の鳴き声ににた声が、何度も何度も口から漏れる。

彼女の周りに世界が戻ってきたとき、車窓には駅のホームが滑り込んでいた。
周囲の大人たちは、にやにやと、まるで面白いものでも見たような顔をしている。
気付くと、自分を拘束していた大きな手はなくなっていた。

太股の内側に、液体が流れているのが分かる。
最初、自分の汗かと思ったが、触れるとそうではないことが分かった。
ドアが開くと、スーツ姿の大人たちはぞろぞろと降りていく。
急激に車内の人口密度が減少し、汗ばんだ身体に涼やかさをもたらした。

彼女は急激に冷静さを取り戻す。背後の男は居なくなっていた。
そして彼女のスカートには、やはり青鹿さくらと同様に、劣情の跡が
まるでボディソープを何回もプッシュしたかのようにべったりと付けられていた。

彼女は睨みつけるように駅のホームと、のぼり階段を見た。
しかしスーツの群像のなかに、彼女が先ほど見た姿は見当たらない。

静かにドアが閉まり、電車は動き出す。
唐突にこみ上げてきた悔しさに、彼女は音が出るくらいに強く床を踏みつけた。

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